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バルサ対マンU




最近のサッカーの試合で「世界最高の一戦」と言ったらどの試合になるだろうか?『4-2-3-1』で一躍有名になった杉山茂樹は、それを前年度チャンピオンズリーグ決勝「バルセロナ対マンチェスター・ユナイテッド」だとしている。そしてそれは私も同感である。


なぜならバルサもマンUも世界中にファンを持つ超人気クラブだからである。またこの両チームにはタレントもそろっている。バルサにはメッシ、イニエスタ、シャビ、アンリなどがいて、マンUにはクリスティアーノ・ロナウド、ルーニー、テベス、ファーディナンドなどがいる。よって見ている人が一番ワクワクするような試合だったのである。


そして杉山氏はこの試合で戦術的な変化が訪れたということをこの本の中で書いている。それが両チームのエース、メッシとクリスティアーノ・ロナウドの使い方である。この両選手は普段サイドのウイングとして使われていた。メッシは右サイドのウイング、ロナウドは左サイドのウイングとして使われることが多かった。


一昔前は、チームのエースはトップ下、つまり10番の位置をとることが多かった。なぜならそのエリア(バイタルエリア)でボールを持つことで、その選手はシュートも打てるし、パスも出せるし、ドリブルもできるような状況が訪れるからである。これはジダンを思い浮かべてみればよいと思う。


しかし現代のサッカーはプレッシャーが強すぎるため、バイタルエリアになかなか侵入することができない。よってエースは比較的プレッシャーの弱いサイドに位置をとることになった。バルセロナでロナウジーニョが左サイドに張っていたのもその戦術的変化を組んでいる。


しかしエースをサイドに置くことでそのチームに弱点が生まれた。それはエースと対面するサイドバックのオーバーラップを防ぐことができなくなったことである。例えばメッシが右サイドのウイングをやっているとする。そうすると相手の左サイドバックがメッシに対応することになる。ではメッシを抑えるために、この左サイドバックは何をすればよいだろうか?


答えはオーバーラップすることである。なぜならメッシは守備ができないからである。左サイドバックがオーバーラップすることで、そのサイドで2対1を作ることができる。またもしメッシがそのオーバーラップについてきたとしても、メッシを自陣のゴールから遠ざけることができる。どちらにせよメッシは普段通りの活躍をできなくなるのである。


このことを知っていたバルセロナのグアルディオラ監督は、決勝戦でメッシをトップに置いた。そしてマンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督もクリスティアーノ・ロナウドをトップに置いた。なぜならトップの位置では彼らがそこまで守備をする必要がなかったからである。そしてサイドのウイングにはエトー、パクチソン、ルーニーなど比較的守備のできる選手を置いた。そうすることで相手のサイドバックのオーバーラップを防ごうとしたのである。


このことをオシムは次のように語っている。


「ロナウジーニョのような最高級の選手と向かい合うことは、思いのほか楽なことなのだ。対峙する選手(サイドバック)が攻め上がれば、おそらく彼は途中から追いかけてこなくなるだろう。その瞬間、攻撃には数的有利な状況が置かれる」(『バルサ対マンU』p202)


このコメントを読むと改めてオシムのすごさを感じる。この本にはこれ以外にも「V字の3トップ」など新しい戦術が書かれているので、チャンピオンズリーグが好きな人はぜひ読んでみるとよい。

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テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

10対10+フリーマンのポゼッション

モウリーニョのDVDを最近見た。中身は期待していたほどではなかったが、少し面白いトレーニングメニューを見つけたので紹介する。


・10対10+フリーマンのポゼッション練習

[ルール]
1チーム10人だが、その中で2色のビブスに分かれる。よって全体で4色のビブスが4つできることになる。例えば(赤+青)VS(緑+黄)のようにポゼッションをする。そしてフリーマンはフィールドの4辺に一人ずつ立つ。


これでは普通のポゼッション練習だが、重要なのはコーチが適当なタイミングでチームを入れ替えることである。例えば最初は(赤+青)VS(緑+黄)だったのをコーチが「赤+緑」と言ったら、(赤+緑)VS(青+黄)という戦いになる。


これにより子どもたちは自分が今どのチームに属しているのかを常に考えることになる。そしてその中で素早い判断が求められる。これにより単なるポゼッションの練習だけではなく、頭の中も鍛えることができる。


これはオシムがやっていたビブスが複数枚ある練習とちょっと近いのかもしれない。重要なのは単なるボール扱いやポゼッションの練習だけではなく、その中で頭も鍛えようとしていることである。この練習では集中していないと味方を間違えることになる。また頭の良さも求められる。つまり試合中と同じぐらいの集中力・判断力を求められるのである。


おそらく小学生年代では10対10だと人数が多いので、少し減らして6対6ぐらいにすると良いと思う。まだ私のチームでは試していないが、今度このトレーニングをやってみるつもりだ。




テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

コーンを使ったドリブル練習は必要か?

多くのチームではコーンを一列に並べてそれをジグザグにドリブルする練習を行っていると思う。おそらくウォーミングアップの段階でこのコーンドリブル練習を用いているだろう。また自主練でやっている子供たちもいるかもしれない。私も中学生の時に朝練習でこのコーンドリブルをやっていた。


しかしこのような練習は「戦術的ピリオダイゼーション理論」にはない。なぜならサッカーの場合、コーンのように相手が動かないということはまずありえないからである。サッカーの試合中ドリブルをするときには、必ず相手ディフェンスの足が出てくる。また身体を当ててくることもある。そこから考えると、コーンを使ったドリブル練習は試合中の状況とは全く異なっている。


確かにコーンを使ってドリブル練習をするとドリブルはうまくなる。しかしそれはサッカーの試合中のドリブルが上手くなったのではなく、コーンを使ったドリブル練習中のドリブルが上手くなっただけである。よってドリブルをしながらパスを考えたり、周りを見ながら状況を見てドリブルするということが上手くなることはない。またコーンドリブルでは敵からのプレッシャーを感じないため、試合中の緊張した場面でのドリブルが上手くなることもない。


それにむしろこのコーンドリブルが逆効果の場合もある。なぜならコーンドリブルをやりすぎると、周りを見ないドリブル、状況判断を用いないドリブル、相手のプレッシャーを感じない状況でのドリブルなどが無意識的に身体に染み付いてしまうからである。よって周りを見ず、状況判断ができず、プレッシャーに弱いドリブラーが生まれてしまう。このようなドリブラーは特に日本人に多いのではないだろうか?


ではどのような練習をしたら試合中のドリブルがうまくなるのだろうか?


答えは簡単である。それは試合形式の中でドリブル練習をすることである。例えば4対4のラインゴールでスモールゲームを行えばドリブルが練習中に出やすくなる。また意識的に「ゴール前ではドリブルを意識してください!」と子供たちに言えば、スモールゲームの中でもドリブルが出てきやすい。スモールゲームの場合、相手ディフェンスはいるし、パスを出す相手もいる。よって適度なプレッシャー間で、周りを見ながら、状況判断を行うようなドリブルが求められる。だからこそ試合中に近い状況でのドリブルが上手くなる。


もちろんコーンを使ったドリブル練習が100%悪いわけではない。それをわざわざ限られた練習時間内に行ってしまうことがもったいないのである。もし子供たちのドリブルの技術が弱いのであれば、練習中は4対4のラインゴールを行い、自主練でコーンを使ったドリブル練習をしてもらえば良い。


このように私たちの世代が当たり前に行ってきたコーンドリブルも、現在の「戦術的ピリオダイゼーション理論」の中では批判の対象になる。私たちコーチは自分たちが行ってきた練習が本当に良かったのかどうかを確かめる時期に来ているのかもしれない。


テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

スペイン人はなぜ小さいのにサッカーが強いのか




近年の日本サッカー界はスペインブームである。2008年のユーロ選手権ではスペインが圧倒的な強さで優勝した。また去年のチャンピオンズリーグでも、スペインリーグのバルセロナが圧倒的な強さで優勝した。そして最近日本サッカー協会がスペインと提携して、トレーニング論を学ぶことになった。


この本はスペインのバルセロナでサッカーのコーチとして働いていた人が書いた本である。この人は「戦術的ピリオダイゼーション理論」という独特の理論を日本に持ち込み、普及を続けている。


ではなぜ今日本サッカーはスペインに注目しているのだろうか?それは日本代表の身長とスペイン代表の身長がほとんど同じだからである。サッカーは意外と身長というものが重要である。ヘディングの強さやボディバランスの強さなどは身長が高いほうが何かと有利だからである(もちろん完全ではない)。


例えばブラジル代表の平均身長は180センチを超えている。またマンチェスターユナイテッドも同様である。しかし現在の日本代表は平均178センチしかない。そしてそれはスペイン代表も同様である。しかしスペイン代表はそのハンデを物ともせずユーロ選手権で優勝した。だから日本サッカー協会も注目し始めたのである。


この本で一番印象に残ったのは次の記述である。


「ピッチング練習、ティーバッティング、ノックなどとほとんど同じ感覚で、ドリブル練習、パス練習、シュート練習と、必要と考えられる要素を細分化して練習メニューを組んでいるのではないか」(p146)


日本には野球という文化がある。そしてサッカーはそれに遅れて日本に普及したスポーツである。だからサッカーのトレーニングは少なからず野球の影響を受けているのではないか?というのが著者の主張である。


野球というスポーツは攻撃と守備が完全に分かれている。また攻撃でもバッターのときには打つ、ランナーのときには走るなどと役割が分割されている。だからトレーニングをするときにはその要素を取り出し練習すればよい。バッティングがうまくなりたければティーバッティング、足が速くなりたければダッシュなどを繰り返せばよいのである。


しかしサッカーは攻撃と守備が分かれているわけではない。むしろ攻撃と守備がコロコロ入れ替わるスポーツである。またディフェンスの選手はずっとディフェンスをするわけではない。ディフェンスの選手も攻撃はするし、パスもするし、ドリブルもする。だから練習中ディフェンスの練習をずっとしているわけにはいかない。


よってサッカーの場合は、攻撃、守備、攻守の切り替え、ドリブル、パス、シュートなどといった、要素を細分化したトレーニングはなかなか合わない可能性がある。むしろトレーニングの中にはこれらがすべて含まれていなければならない。またここに書かれている言葉にできない部分(例えば相手との駆け引きなど)もサッカーにはあるはずである。


だが日本人は野球のトレーニングが頭に刷り込まれているため、サッカーも同じようにトレーニングメニューを作った。だからシュート練習、パス練習などといった要素を細分化したトレーニングが行われていたのである。しかしこれではサッカーの本質。


ではサッカーにおいてはどのようなトレーニングをすればよいのだろうにたどりつくことはできないか?その答えが「戦術的ピリオダイゼーション理論」には書かれている。基本的には4対4、7対7などのゲーム形式の練習を中心に、サッカーのすべての要素が含まれたトレーニングをする必要がある。これはインテルのジョゼ・モウリーニョが行っているトレーニングと同じである。詳しくは「トレーニング論」を参考にしてほしい。


私たちは無意識のうちに昔からある文化というものを踏襲している。日本サッカーの場合はそれが野球であった。この本はそのことも教えてくれた。

テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

サッカークリニック4月号




サッカークリニック4月号を読んでみた。今回は指導者のサッカーノートがテーマになっている。私もサッカーノートは書いているが、いろいろな指導者のノートが見れて面白い。


その中でも気になったことをここで書いてみる。


・サッカーノートにはハーフタイムで気になったことをメモ
・試合後に全員に話をしてもなかなか聞いていない
・それだったら一人ひとりをメモして、試合後に個別に話す
・指示は「的確」に「短く」

・イタリアでは相手ディフェンスラインにはむやみにプレスは掛けない
・なぜなら疲労がたまり、攻撃に力を発揮できないため

・数年前はボールを取られたら数人がプレスをかけて後はリトリート
・現在はボールを取られたらすぐに全員でプレスをかける

・3秒(ボールを取られたら3秒間プレス)
・3メートル(相手と3メートル以内に近づく)
・3人目(3人で協力してプレス)
・などの数字を入れると具体的でわかりやすい

・選手がその日の練習メニューを知っておくことは重要


また最近のサッカークリニックでは「戦術的ピリオダイゼーション理論」のような指導法が書かれていることが多い。フランス国立サッカー学院でも「戦術的ピリオダイゼーション理論」的な練習メニューに最近は変わっている。



「つまりトレーニングでは、5対5、6対6などのミニゲームを通して技術を磨かなくてはならないということ。ドリル・トレーニングのような、どうボールが来るかわかった、相手の妨害がない状態で、いくら上手く蹴ることができても、試合の混乱の中でそれをできなくては何もならない」(『サッカークリニック4月号』p80)


「ストリート・サッカーをピッチに持ちこむというイメージだ。選手たちにある程度自由にプレーさせ、自分の想像力を働かせる余地を与える」(『サッカークリニック4月号』p80)


おそらくこれらは「戦術的ピリオダイゼーション理論」イデオロギーのようなものが世界中に蔓延し始めているということだろう。私も「戦術的ピリオダイゼーション理論」」を推薦している一人であるが、そのイデオロギーに縛られずにやっていきたいと思う。


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オリヴェイラも「戦術的ピリオダイゼーション理論」を使っている?

オズワルド・オリヴェイラ自伝』を読んだが、それにも「戦術的ピリオダイゼーション理論」に近い練習メニューが書かれていた。世界でサッカーのトレーニングメニューが「戦術的ピリオダイゼーション理論」的になっているのは間違いない気がする。



「サッカー選手の能力を構成するテクニック、フィジカル、メンタルを別々に強化するよりも、それら巣べ手を融合して強化するトレーニングのほうが、効果的だと考えています」(『オズワルド・オリヴェイラ自伝』p72)



「そう考えたとき、ゲームに近い状況での練習メニューにたどり着きました。試合では、ボール扱い、判断力や想像力を含めたテクニック、フィジカル、メンタルなどすべてを発揮することが求められるため、試合に似た状況で練習を行うことは理にかなっています」(『オズワルド・オリヴェイラ自伝』p73)



オリヴェイラはもともとフィジカルコーチ出身である。よって練習メニューもフィジカルメニューが中心かと思っていたが、実はそうではないらしい。「戦術的ピリオダイゼーション理論」という世界のトレンドをしっかりとつかんでいる。



もちろんオリヴェイラが「戦術的ピリオダイゼーション理論」を知っているかはわからない。しかし経験からそれにたどりついたならもっとすごい気がする。自分がフィジカルメニューに詳しいことを棚に上げて、フィジカルメニュー中心の練習を組まないあたりがこの監督のすごいところだと思う。





テーマ : サッカー
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2010年3月13日マリノスVSベルマーレ

3月13日に日産スタジアムで行われたマリノスVSベルマーレの試合を見に行った。中村俊輔がJリーグに復帰するということで、3万人以上の観客がスタジアムに訪れていた。


実は今年のマリノスは一抹の不安があった。それはメンバーでもなく、フロントでもなく、監督の木村和司である。木村和司といえばミスターマリノスといわれるほどの名選手であったが、それがコーチも経ずにいきなり監督になるとは・・・、このような不安を持っていたのである。これは多くのマリノスファンも同様であろう。


しかも開幕戦はFC東京に負けたので、「これはやばいのではないだろうか」と思っていたところの第2戦である。相手はベルマーレだからある程度勝利は確実だと思っていたが、内容のほうが気になっていた。


しかしその不安は試合が始まってからすぐに消えた。木村和司監督率いるマリノスはかなり良いサッカーをしていたからである。しかもイングランド式の4-4-2を用いた現代的なシステムでマリノスは戦っていた。ちなみにメンバーは次のようである。


GK:飯倉
DF:波戸、中沢、栗原、田中
MF:中村、小椋、兵藤、山瀬
FW:アーリア、渡辺


特徴的なのは中村と山瀬がしっかりとサイドに張っていたことである。日本代表の時の中村はたびたび中に入ってきてしまうが、マリノスではこれが違っていた。おそらく木村監督の指示だろうが、中村はサイドに張ってボールをもらい、攻撃の起点になっていた。また山瀬もサイドに張ってボールをもらい、効果的にドリブルを繰り返していた。


FWはアーリアが少し下がり目で、相手ボランチとDFのライン間でボールをもらっていた。また渡辺がDFラインの裏を再三狙い、相手のDFラインを下げる役割をしていた。しかもセントラルの2人は攻守の運動量がとても多く、効果的にサイドにボールを散らしていた。これはまさに現代サッカーの見本のような戦い方である。


私は木村監督がここまで現代サッカーに精通しているとは思わなかった。BSでの解説を聞いていると、感覚でコメントしている気がしたし、論理的にうまく説明できるような人ではないと思っていた。しかしこの日のマリノスはとてもバランスが取れたサッカーをしていて、久しぶりに面白かった。


もちろん相手がベルマーレだったということもある。ベルマーレは4-3-3が機能せず、相手選手を上手くマークできていなかった。また攻撃時も3トップにもかかわらずウイングが中に入ってしまうため、ロングボール以外の攻撃はほとんどなかった。試合中もなぜウイングはサイドに開かないんだろうと思うことが何度もあった。おそらくあれは反町監督の指示だろう。


ただし木村監督を褒めてばかりはいられない。それは交代のタイミングである。マリノスは2-0で勝っているにもかかわらず、最初の交代は後半の30分過ぎだった。内容的にもほぼ勝利は確定していたし、もう少し早めに交代して控え選手を試しても良かったのではないだろうか。控えには坂田、狩野などそれなりに実力がある選手もいるわけだし。


とりあえずこんな感じでまとめてみたが、今後のマリノスは少し注目である。次節はフロンターレとの神奈川ダービーなのでここで本当の実力が試されるだろう。


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オズワルド・オリヴェイラ自伝




鹿島アントラーズが昨年J リーグ3連覇したのは記憶に新しいだろう。なぜこんなにもアントラーズは強いのか?と思った人も多いと思う。それはこのオズワルド・オリヴェイラの力によるといっても過言ではない。


オリヴェイラはもともとプロのサッカー選手ではない。体育大学からフィジカルコーチになり、そしてアシスタントコーチを経て監督になった。最近では靴屋から監督になったアリゴ・サッキ、通訳から監督になったジョゼ・モウリーニョなど必ずしもプロサッカー選手が監督をやっているわけではない。しかしかなりの少数派である。そしてこのオリヴェイラもサッキやモウリーニョと同類である。


オリヴェイラがこの本の中で常に言っていることは「他者を尊重すること」である。オリヴェイラは顔が少し怖いので性格もそのような感じを想像してしまうが、実はまったく逆である。むしろスタッフや選手の話をよく聞いてくれる柔軟な性格をもった監督らしい。おそらくこれは昔フィジカルコーチをしていたからこそできることなんだろう。


またこの本には次のようなことが書かれている。


「上司の考えを無視して、「自分はこう思う」と意見だけをアピールしても受け入れてはもらえません。それだけではなく、組織内が混乱することにもなりかねません。質の高い仕事をし、自分の評価を上げるためにも、上司の意向を尊重する必要があるのです」(『オズワルド・オリヴェイラ自伝』p48)


これは現在言われているようなこととは全く逆である。「日本人は意見がはっきりと言えない」という批判がよくあるが、オリヴェイラはそれを悪いことだとは思っていない。それは他者の意見をしっかりと受け入れることができるからこそできると逆に称賛しているのである。


これらの話を聞く限り、オリヴェイラが日本の監督にふさわしいことがなんとなく想像つくだろう。おそらくブラジル人らしいメンタルの強さ、勝負へのこだわりと、日本人らしい周りとの調和のうまさを兼ね備えた監督だと思う。


またこの本の中に素晴らしい言葉を見つけた。


「私は哲学を持たない。もった瞬間にその哲学に縛られてしまうから」


確かにそうである。自分の哲学を確固たるものにしてしまうとそこで思考は停止する。あえて哲学を持っていないほうが柔軟な発想ができ、他者の意見にも耳を傾けることができる。


この本を読んでからアントラーズの試合が見たくなった。はたして4連覇はできるのだろうか?



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プレーモデルの重要性

モウリーニョはフォーメーションやシステムよりもプレー原則を重視していると前回書いた。これは「戦術的ピリオダイゼーション理論」にも当てはまる。「戦術的ピリオダイゼーション理論」において、このプレー原則はプレーモデルやコンセプトと言われる。


プレーモデルというのはモウリーニョが言うプレー原則に近いと思う。例えばバルセロナであればポゼッションを中心とした攻撃的なサッカーがプレーモデルになる。またイタリア代表であれば、カテナチオを中心とした堅い守備がプレーモデルになる。つまりチームの一番根本となるスタイルをプレーモデルというのである。


そしてそのプレーモデルの下にはコンセプトというものがある。コンセプトはプレーモデルをもっと細かく細分化したものである。そのコンセプトにはプレーモデルに即した具体的な事例が掲げられる。


これでは抽象的で分かりにくいので、私のチームのプレーモデル、コンセプトを紹介しよう。


・プレーモデル
「サイドからの攻撃、前線からの守備を基本とするサッカー」

・コンセプト
「サイドからの攻撃」
「前線からのプレス」
「攻守の切り替え」
「高いディフェンスライン」
「逆サイドの絞り」
「球際の激しさ」
「ゾーンディフェンス」
「サイドバックのオーバーラップ」

などである。私もまだそこまで綿密にコンセプトを決めているわけではないが、頭の中ではこのようなことを前提に練習を行っている。


「戦術的ピリオダイゼーション理論」においてはこのコンセプトの下にサブコンセプト、サブサブコンセプトなどが存在しているらしい。それはコンセプトをもっと細分化したものである。おそらくモウリーニョはそこまで細かく細分化しているのだろう。しかしそれではきりがないので、私の場合はプレーモデルとコンセプトをしっかり明確にすることを目標としている。


当り前のことだが、このプレーモデルとコンセプトは密接に関わっていないといけない。例えばプレーモデルが「高いポゼッションを基本とした攻撃的なサッカー」なのにも関わらず、コンセプトが「2,3人での素早いカウンター」では意味がない。もちろんポゼッションを基本としたサッカーの中でもカウンターを入れたいというのであれば理解できる。しかしそれはコンセプトにはならない。コンセプトはもっとプレーモデルに即した事例である。例えばこの場合だったら、「トライアングルを常に作る」「攻撃の選手がワイドに開く」などがコンセプトになるだろう。


このようなプレーモデルやコンセプトはコーチだけが知っているだけでは意味がない。必ず選手がこのことを頭の中に入れておく必要がある。そしてそれを徹底するために練習というものがある。よってプレーモデルやコンセプトを無視した練習は意味がない。練習はプレーモデルやコンセプトを選手に徹底するためのものである。このことは頭の中に入れておく必要があるだろう。



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プレー原則の重要性

前回は4-3-3や4-2-3-1などフォーメーションについて詳しく分析してみた。しかし私自身は、フォーメーションというのは試合の時によって変化するものだと思っている。よって私にとってどれが一番良いフォーメーションなのかはその時によって違う。


ではチームにとって一番大事なものは何なのだろうか?モウリーニョはシステムやフォーメーションよりも、プレー原則のほうが大事だとしている。


「あなた方はいつもシステムについて話をしたがる。しかし、私の仕事はシステムではなく、プレー原則をチームに徹底することだ。システムは変わりえるが、プレー原則は常に変わらない。より根本的な原則だからだ」(『モウリーニョの流儀』p99)


これはシステムやフォーメーションの議論が好きな日本人にとっては驚きの発言だろう。モウリーニョは極論システムなんてどうでもよいと思っている。モウリーニョにとって大切なのはシステムではなく、プレー原則だからである。ではプレー原則とは一体何なのだろうか?


「重要なのはどんなサッカーがしかいのかだ。チームがある試合で、あるいはあるシーズンに、どんなサッカーを目指すのかというのは、システムではなくプレー原則の問題だ」(『モウリーニョの流儀』p99)


これによれば、プレー原則とはチームがどのようなサッカーをするかということみたいである。例えばバルセロナであればポゼッションを中心とした攻撃的なサッカーがプレー原則になる。またイタリア代表であれば、カテナチオを中心とした堅い守備がプレー原則になる。よって監督にとって、このプレー原則をどこまで統一できるかが勝利のカギを握る。またモウリーニョはこのプレー原則をもっと細かく分解している。


「ゾーンで守るかマンツーマンで守るか、高いブロックで守るか低いブロックで守るか、ポジションチェンジを許容するかしないか、縦に奥行きのある陣形で戦うか横幅のある陣形で戦うか、ロングパスとショートパスのどちらで攻撃を組み立てるか―。これらがプレー原則だ」(『モウリーニョの流儀』p99)


なるほど。モウリーニョに言わせれば、これらの二項対立をどのように組み合わせるかでチームのプレー原則が決まってくる(もちろん二項対立はこれで全部ではないだろうが)。そしてこのプレー原則が決まってから初めてチームのシステムが決まってくる。


日本人はウイニングイレブンをやっているせいか、まずシステムのことが頭に浮かぶ。そしてチームの成績が悪いと簡単にシステムをいじる。しかしモウリーニョにとって大事なのはシステムではない。大事なのはプレー原則である。実はこのことは戦術的ピリオダイゼーション理論にも当てはまる。次回はそのことについて説明する。




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4-2-3-1の可能性2

4-2-3-1では、選手はどのような動きをするのだろうか?ここでは私が考える4-2-3-1での選手の動き方を書いてみる。


・攻撃時

まずワントップにボールを集めることになる。そしてワントップにボールが集まった瞬間にトップ下、サイドハーフの3人がそれをフォローする。フォローの方法にも2種類ある。ボールを後ろに落としてもらう場合と、ボールを相手ディフェンスの裏に出してもらう場合である。ただワントップへのプレスはとても激しいため、そのまま反転してボールを裏に出してもらうことは難しい。よってワントップは一回ボールを後ろに戻し、そこから相手ディフェンスの裏にボールを出してもらうことが多い。


問題はどこにボールを出すかである。私のチームでは相手サイドバックの裏にボールを出し、サイドハーフを走らせる方法を用いている。そしてそれを同サイドのサイドバックがフォローする。ゴール前にはワントップ、トップ下、逆サイドハーフの3人が飛び込む。そしてボランチ2人のうち1人はゴール前に詰め、もう一人はスペースを埋める動きをする。ディフェンスは上がったサイドバック以外の3人でスリーバックを作ることになる。よってカウンターに備えて、3バック+1ボランチはリスクマネジメントとして後ろに残る。


私のチームではサイドからの攻撃をメインにしているので、ボールサイドのサイドハーフは必ずタッチライン沿いまで開くことにしている。逆サイドのサイドハーフは少し中にポジションをとり、トップ下と同じような位置から前線に飛び出す。プロにチームによっては、逆サイドハーフもサイドに張っている場合もある。これはそこにサイドチェンジをすることで、相手ディフェンスをずらすことを目的としている。しかし私が教えているのは小学生なので、そのようなサイドチェンジは蹴ることができない。だから逆サイドのサイドハーフはちょっと中にポジションを取らせている。またワントップは最終ラインぎりぎりにポジションを取り、攻撃に深さを作る。そしてゴールエリアの幅ぐらいで左右に動く(基本的にはボールサイドに少しだけ寄る)。トップ下はワントップが空けたスペースに2列目から飛び出すことで、相手ディフェンスを混乱させる。


・守備時

4-2-3-1はバランスよく選手が配置されているので、プレッシングはやりやすい。相手センターバックにはワントップ、サイドバックにはサイドハーフ、ボランチにはトップ下がプレスをすればそれだけでも簡単なプレッシングになる。私のチームでは相手のボールをサイドに出させるようにしている(これはそれぞれのチームによって異なる)。そしてサイドハーフがプレッシャーをかけるところからプレッシングが始まる。そしてラインを高く保ち、逆サイドが真ん中ぐらいまで絞ることで、非常に狭いスペースを作る。そしてサイドハーフ、ボランチ、サイドバックの間ぐらいでボールを奪う。


これはあくまでも私のチームでの4-2-3-1である。しかしおそらく4-2-3-1を用いるチームならばそれほど選手の動き方は変わらない気がする。ちなみに私はリバプールの動き方を模範している。だから日本代表みたいにボールサイドのサイドハーフがむやみに中に入ってくることはない。日本代表はサイドハーフのポジションにトップ下の選手が入っているため、どうしても中にポジションをとりたがる。中村俊輔などは右サイドから中に入ってくるプレーが特徴的である。しかしこれでは攻撃が中からになりやすい。もちろん開いたスペースにサイドバックが飛び出してくればそれでよいのだが、それでも攻撃は中がメインになってしまう。私はサイドから攻めることを目的としているので、ボールサイドのサイドハーフは必ずタッチライン上に開かせるようにしている。


このように同じ4-2-3-1でもその指導者の考え方によって選手の動き方は異なる。だからこそ、指導者がどのようなコンセプト(サイドから攻めるのか中央から攻めるのか、前線からプレスをかけるのかリトリートするのか)の元にチームを作るかが一番大事である。これはモウリーニョも言っている。大切なのはフォーメーションではなく、チームのコンセプト、原則であると。次はこのことについて書いてみる。


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4-2-3-1の可能性

昨日は4-3-3のことについて書いたので、今日はそれと同じぐらい使われている4-2-3-1について分析する。4-2-3-1については『4-2-3-1』という本が出ているくらいなので、多くの人が知っていると思う。おそらく4-2-3-1が流行りだしたのはスペインリーグが最初であろう。


いつのスペインリーグかというと、フィーゴがバルセロナからレアル・マドリードに移籍したときぐらいのスペインリーグである。このときのスペインリーグは、レアル・マドリード、バレンシア、ディポルティボ・ラコルーニャが4-2-3-1を用いていた。現在ではベニテスが指揮するリバプール、フランス代表、オランダ代表、ブラジル代表、そして日本代表などで4-2-3-1が用いられている。


このときのレアル・マドリードは4-2-3-1を用いて成功していた。ワントップにモリエンテス、トップ下にラウル、右にフィーゴ、左にマクマナマン(サビオ)という形である。しかしこれが意図的に用いていたのかはわからない。なぜならトップ下のラウルはフォワード登録だったからである。


ラウルという選手は純粋なフォワードではない。どちらかというとチャンスメーカー的な役割を果たすことが多い。しかし点も良く取る。前線からしばしば中盤に下がってきて、そこでボールをさわり、そしてゴール前に飛び込んでくる。ディフェンスにとっては一回前線から消えるので、すごくマークがしずらい。


4-2-3-1は基本的には4-4-2と同じである。しかしフォワードが一人下がってくることにより中盤に厚みを持たせている。4-4-2に場合はどちらかのフォワードが中盤に下がってくることが多いが、4-2-3-1の場合はそれが最初から分担されている。ワントップで前線に張るフォワードと、中盤に下がってくるフォワードという風にである。これはもしかしたら4-4-1-1と書いたほうがわかりやすいかもしれない。


しかしそれとは異なる4-2-3-1もある。それが現在のリバプールである。リバプールはワントップにフェルナンド・トーレスを使い、トップ下にジェラードを使っている。ジェラードはもともと中盤の選手なので、ラウルのようにフォワードが行うような仕事はできない。よってフォワードが中盤に下がってくるという動きよりも、中盤の選手が前線に飛び出していくという動きになる。よってこちらのほうが4-2-3-1という数字が合っている気がする。


日本代表もトップ下に本田を使うか中村憲を使うかで戦術が結構異なる。本田の場合はプレースタイルがフォワードに近いので数字的には4-4-1-1になることが多い。しかし中村憲はもともと中盤の選手なので4-2-3-1になることが多い。これはどちらが良いというわけではない。相手によって変化させれば良いからである。


では4-2-3-1や4-4-1-1においては、実際の選手はどのような動きになるのだろうか?次のページで詳しく分析する。




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4-3-3の可能性

今日は名古屋グランパスVSガンバ大阪の試合をテレビで見ていた。グランパスは今シーズンから4-3-3のフォーメーションにしたらしい。実況がしつこくそのことについて語っていたので、今回は4-3-3について少し考えてみることにする。ちなみに名古屋グランパスのスタメンは次のようになっていた。


GK:楢崎
DF:田中、増川、闘莉王、阿部
MF:吉村、小川、マギヌン
FW:ケネディ、玉田、金崎


4-3-3のフォーメーションは最近の流行である。有名なのはバルセロナの4-3-3である。バルセロナはカンテラ世代から4-3-3でフォーメーションを固定しているため、「バルサといえば4-3-3」というのが通説になっている(以前は3-4-3も使っていたが)。


最近ではアーセナルも4-3-3を用いている。ベンゲルは以前からずっと4-4-2で戦っていたが、それを変更したのでとても驚いた。それだけ現在の流れが4-3-3に向かっているということだろう。そしてモウリーニョもチェルシー時代に4-3-3を用いていた。モウリーニョはインテルでも4-3-3を用いようとしたが、現在では4-3-1-2を使っている。


ではなぜ4-3-3が流行っているのだろうか?おそらく理由は3つある。


1.トライアングルがたくさんできる
2.バランスがとりやすい
3.相手ディフェンスラインへのプレスがかけやすい


1.トライアングルがたくさんできるのは、実際にフォーメーションを並べてみればよくわかる。トライアングルがたくさんできればできるほど、ボールを持った選手のパスコースが増える。よってパスを良くまわすチームにとっては有利なフォーメーションになる。バルセロナやアーセナルが4-3-3を用いるのは必然的である。


2.バランスがとりやすいのは次のような理由による。まず4-3-3ではサイドに必ず2人の選手がいることになる。またアンカーの位置にいる選手(グランパスでは吉村、チェルシーではマケレレ)が必ずディフェンスラインの前にいることにより、カウンターをケアすることができる。そしてサイドバックがあがったときには残りのディフェンス3人+アンカー1人で対応することができる。また中盤の2人はオフェンスにもディフェンスにも参加することができるため、ランパードやシャビのような選手にはもってこいである。このように一人ひとりの役割がわかりやすく、ピッチ上にバランスよく選手を配置できるのが4-3-3の特徴である。


3.相手ディフェンスラインへのプレスがかけやすいというのは、現在のフォーメーションでは4バックの場合が多いからである。相手が4バックの場合、こっちはサイドバックの上がりをケアすることが重要になる。なぜなら現代サッカーのサイドバックはボールを触る回数が多く、そこからビルドアップが始まることが多いからである。よってこのサイドバックにうまくプレッシャーがかかれば、相手のビルドアップを遅らせることができる。しかしこちらが2トップの場合、2人で4人を見なければいけないため、かなりの運動量が要求される。それだったら3トップにして、ウイングにサイドバックをマンマーク的に付かせたほうが効率が良い。これが最近3トップが流行っている理由である。


このように4-3-3はとてもメリットが多いフォーメーションである。そしてそこまで多くの弱点は見当たらない。私が考える弱点は次の2つである。


1.センターフォワードにキープ力が必要
2.相手ボランチへのケアができない


1.センターフォワードにキープ力が必要というのは、4-3-3のウイングは守備をしなければならないことに理由がある。攻撃の時には4-3-3になるが、守備の場合は相手サイドバックの上がりにウイングが付いていかなくてはならない。つまり守備の時には4-5-1のようになる。よってカウンターをする場合にはワントップにボールをキープしてもらわなければならない。実際4-3-3を使っているチームには優秀なセンターフォワードが多い。バルセロナのイブラヒモビッチ、アーセナルのファンペルシー、チェルシーのドログバなどがその典型である。


2.あいてボランチへのケアができないというのは、アンカー以外の2人の動きによるものである。この2人はとても運動量が必要なポジションである。オフェンス、ディフェンスはもちろん、サイドのケアもしなければならない。よってどうしても2人が両サイドによる形になってしまい、真ん中が開いてしまうことが多い。ここを相手のボランチに利用される可能性が多くなる。モウリーニョのインテルは昨シーズンここのケアでてこずっていた。


以上が私の4-3-3の分析である。まだまだ4-3-3の長所・短所はあると思うのでもし何かあればコメントして欲しい。今日見た限りでは名古屋グランパスの4-3-3はそれなりに機能していた。両サイドの玉田、金崎にキープ力があり、センターフォワードがケネディであるから当たり前といえば当たり前である。いずれにせよ今後のグランパスはとても楽しみである。

テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

ポストモダン社会の教育

現在の子供はポストモダンな社会に生きている。ポストモダンとはモダン(近代)の次に来る社会のことである。モダン(近代)の特徴は「大きな物語」というものが存在していたことである。「大きな物語」とは多くの人が当然だと思っている人生物語のことである。


例えばモダン(近代)社会では「たくさん勉強して、良い学校に入って、大企業に入って、お金持ちになれば幸せになれる」というような物語が存在していた。またサッカーでも「基礎練習をしていればサッカーがうまくなる」「走りこみをしていれば体力がつく」というような物語が存在していた。


しかし現在のようなポストモダンな社会には、そのような「大きな物語」は存在しない。たくさん勉強すれば幸せになれるとは誰も思っていないし、たくさん基礎練習をすればサッカーが必ずうまくなると思っている人もいない。サッカーの場合は基礎練習だけではなく、戦術やコンディショニングも大切だということが一般的になってきたからである。


ではこのようなポストモダンな社会では、どのように子供たちを教育していけばよいのだろうか?これはなかなか難しい問題である。先生が「たくさん勉強しなさい」といっても子供たちはいうことを聞かない。またコーチが「たくさん基礎練習をすればサッカーがうまくなる」といってもなかなか信じてはくれない。教育者にとってはとても難しい時代に入ったのである。


私はポストモダンな社会での教育は「楽しませる」ということが不可欠だと思う。つまり「~を頑張ればきっと得をする」という風に説得するのではなく、「~は楽しいよ」という風に説得したほうが良いということである。このほうが子供たちのやる気が出るし、実際うまくなる可能性が高い。だからサッカーの場合でも練習メニューは楽しいものではなければならない。


今までの教え方では「つまらないけど基礎練習をやればサッカーがうまくなる」「つらいけどたくさん走れば体力がつく」というような説得のしかただった。しかしこの説得のしかたではポストモダンの社会に生きている子供たちを納得させることはできない。なぜならそのような「大きな物語」はすでに消滅しているからである。


だから私はゲーム形式の練習を多くしている。ゲームならば子供たちは楽しんで練習してくれる。そして知らず知らずのうちにサッカーがうまくなっている。また体力もついている。ゲームだと走らざるを得ないので、体力は必然的についてくる。しかも子供たちが楽しみながら体力がつくのである。


このようにポストモダンな社会に生きる子供たちを成長させるためには「楽しませる」ということが不可欠だと私は考えている。あなたのチームでは子供たちを楽しませることができているだろうか?もう一度練習メニューを確認してみて欲しい。


テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

2010年3月3日 日本VSバーレーン

2010年3月3日 日本VSバーレーン戦をテレビで見た。前半は見ることができなかったが、後半はすべて見ることができた。結果は2-0で合格点だと思う。内容も1月の中国戦、韓国戦よりは良かった気がする。


海外組が戻ってきたため、スタメンは次のようになっていた。

GK:楢崎
DF:内田、中沢、闘莉王、長友
MF:遠藤、長谷部、中村俊、松井、本田
FW:岡崎


ハイライトを見た限り、前半はなかなか多くのチャンスを作っていたようである。特にサイドからのセンタリングに対しては3,4人がしっかり中に入っている感じがして迫力があった。


しかし後半に入ってからはなかなか良いリズムが生まれなかった。私が見た限りでは中盤選手のポジションチェンジが多すぎる気がした。それによってチーム全体のバランスが崩れていたのである。


ポジションチェンジというとなかなか良い響きのような気がするが、実際はそうではない。ポジションチェンジをすることで、もとのフォーメーションを崩してしまうことにもつながるからである。現在日本代表は4-2-3-1を用いているが、これが試合の途中でコロコロ入れ替わる。それによってボールを持った選手が、味方がどこにいるのかをしっかりと把握できていない気がする。


もちろんフォーメーションはそのままで人が入れ替わるのならばバランスは崩れない。しかしフォーメーションそのものを崩してしまうと、味方がいるはずのところに人がいないといった現象が起こる。またボールを取られた瞬間すぐにブロックを作ることができない。


岡田監督はそれを補うために一人一人に対してもっと多くの運動量を求めている。フォーメーションを崩したとしてもそれを補うだけの運動量があれば大丈夫だと考えているみたいである。確かにこれも一理ある。しかしプレミアリーグでここまでフォーメーションを崩すチームは見当たらない。これは日本代表が世界標準に届いていないか、もしくは世界標準を超えているのかのどちらかである。これが正解か失敗かはワールドカップ後にしかわからないが、現在見た限りだと失敗のような気もする。


またメンバーに関しては本田のトップ下は使える気がした。本田はボールを持ったときもなかなかうまいが、得点力とヘディングの強さがそれに加わっている。昔の司令塔はパスがうまければよかったが、現在の司令塔はジダンなど得点力がありヘディングが強くないとだめである。その点では本田のトップしたは面白い。しかし運動量はそこまで多くない。そうなると中村俊との共存は難しくなる。


中村俊は運動量が少ない選手ではないが守備ができない。これは遠藤も中村憲も同様である。そして本田もこれに加わる。オシムになってからは4人とも走ることを意識しだしたが、もともと走ることが得意ではないし、守備は苦手である。よってこの4人が同時に出ることは考えられない。なぜならワールドカップでの相手はオランダ、カメルーン、デンマークなど格上だからである。日本が守備に回るとなるとこの4人が同時に出ていては歯が立たないだろう。


おそらくこの4人のうち2人しかレギュラーにはなれない。そうなるとポジション的に遠藤と中村憲、本田と中村俊が争うことになる。現在では遠藤、中村俊が筆頭だが今後はどうなるだろうか?岡田監督はこれに中村憲や本田などを3人目として加えようとしているみたいだが、私はあまり賛成ではない。やはり守備の面で不安があるからである。


今日見た限りだと松井はそこまで良くはなかった。積極的にボールに絡んでいたが、上の4人と同じように守備は得意ではないし運動量も多くない。おそらくスーパーサブ的な扱いになるだろう。


それにしても岡田監督は交代が遅すぎる。玉田が後半40分に出てきたが、何もできずに終わってしまった。中村俊は後半途中からバテバテだったからもう少し早く交代しても良かったのではないだろうか?あとCBの中沢、闘莉王の控えで岩政はいつ出すのだろうか?CBの2人が怪我をしないとでも思っているのだろうか?いささか交代については疑問なところが多い。


ちなみに私が現在考えているスタメンは次のようである。


GK:楢崎
DF:内田、中沢、闘莉王、長友
MF:遠藤、長谷部、岡崎、稲本、本田
FW:森本


サイドのMFに長谷部と岡崎を置いて、ディフェンス力を高めたほうが良いのではないか、またアンカー的な位置に稲本が必要なのではないかということである。中村俊は残念ながら今のままでは厳しいだろう。しかし岡田監督は中村俊をはずさないと思うので、おそらくこのようなスタメンはありえない。皆さんはこのフォーメーションをどう思うだろうか?



テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

モウリーニョの流儀




「自分が世界一の監督だとは思わない。しかし私以上の監督がいるとは思わない」


モウリーニョの流儀」の表紙には上のような文章が書いてある。私自身も現在モウリーニョよりも高いレベルの監督はいないと思っている。またモウリーニョと同等レベルの監督だと、アレックス・ファーガソンしか思い浮かばない。


この本はモウリーニョがインテルミラノに移籍してきてから1年目で優勝するまでの軌跡を追っている。またモウリーニョのトレーニングメソッド、マスコミ対応、そして選手との関係までとても詳しく書かれている。おそらくモウリーニョが好きな人はすでに読んでいるだろう。


この本の中で私が一番印象的なのは、シーズンの途中でシステムを4-3-3から4-3-1-2に変更したことである。モウリーニョといえばチェルシー時代の4-3-3が印象的だが、モウリーニョはそれがだめだとわかった瞬間すぐにシステムを変更した。実際これはとても難しいことだと思う。


原因は4-3-3のウイングとして獲得したクアレスマとマンシーニがチームにフィットしなかったこと、インテルにセンターフォワードがたくさんいたことなどがあると思う。しかし並の監督ならは、過去の4-3-3での成功にしがみつき、4-3-3でシーズンを戦い抜こうとするだろう。しかしモウリーニョの場合はそれが失敗したとみると、すぐにシステムを変更したのである。


またモウリーニョのチャンピオンズリーグへの位置づけも面白い。モウリーニョはチャンピオンズリーグに対して次のような言葉を発している。


「CLはディティールで決まるコンペティションだ」


モウリーニョは基本的にサッカーを科学だと思っている。チーム全員がチーム原則をしっかり守りプレーすれば、ある程度までは勝てると信じている。しかしサッカーはそれだけではない。勝負の結果などには科学の合理性が当てはまらない場面が少なからずあるからである。これをモウリーニョはディティールの部分だとしている。そしてチャンピオンズリーグはこのディティールで決まってしまうのである。


今年はモウリーニョのインテル2年目の年である。現在インテルはセリエAでトップに立ち、チャンピオンズリーグでもベスト16でチェルシーと対戦している。特にチャンピオンズリーグはチェルシーとの第1戦で2-1で勝利している。第2戦は3月だがこれに勝てばチャンピオンズリーグ優勝も夢ではない。ぜひこの本を読んで次のチェルシー戦を観戦してほしい。モウリーニョを見る目がまた変わるだろう。


テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

Kengo Yoshida

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プロフィール

吉田憲吾

Author:吉田憲吾
2006年より坂本SCで小学生にサッカーを教えている。日本サッカー協会公認指導者ライセンスC級(サッカー、フットサル)取得。2010年より日本ヒューレット・パッカード(HP)株式会社でStorage Salesを担当。TOEIC850点。

主なブログ:
営業マンの、営業マンによる、営業マンのためのブログ
kengoyoshidaのバインダー
kengo yoshida - Japan | LinkedIn

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