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3バックの復権!?


昨日はゼロックス・スーパーカップがあった。昨年のJリーグ王者のサンフレッチェ広島と天皇杯王者柏レイソルの一戦だった。結果は佐藤寿人のスーパーボレーシュートで広島が1-0で勝利したのだが、私が注目したのはそこではない。両チームとも3バックの3-4-2-1を採用していたことである。

以前私は「なぜ3バックは流行らないのか?」で3バックが流行らない理由を書いているが、それから数年たち3バックが復権し始めている。これはJリーグだけではない。世界各国、特にイタリアで3バックが流行り始めている。

記憶に新しいのはユーロ2012のイタリア代表だろう。ブランデッリ新監督のもと、イタリア代表は3-5-2システムで戦い準優勝までたどり着いた。結果だけではなく内容もよい試合を見せていたので、覚えている人も多いかもしれない。またあのバルセロナもグアルディオラ時代に3バックを採用している。グアルディオラ自身はセスクが加入したことにより、中盤の構成を最大限生かすためと主張していたが、あのバルセロナが3バックを採用したことで再び3バックに注目が集まった。

Jリーグでいえば現浦和レッズ監督のペトロビッチ監督が3-4-2-1を採用していることで有名である。現広島監督の森保監督はペトロビッチの戦術を踏襲し、そのまま3-4-2-1で昨年Jリーグ優勝を果たした。そして今年は前出の柏レイソル、そしてピクシーことストイコビッチ監督が率いる名古屋グランパスも3バックを採用しようとしている。

なぜこのようなことが起きたのだろうか。数年前に3バックがはやらなくなった理由は、1トップor3トップのチームが多くなり、3バックだとカバーリング役の1DFを余らせることができなくなったからである。そもその3バックは相手の2トップ対策で作られたシステムであり、相手が1トップであれば2DFが余ってしまい、相手が3トップだと3対3で1人も余らせることができない。このアンバランスが3バックには存在する。またサイド攻撃が定着してきた現代において、3バックの両脇のスペースを使われることを懸念し4バックを採用するチームが多かった。サイドをケアしようとすると、どうしてもウイングバックの2人が下がってしまい、5バック気味になってしまうからである。

現在でも多くのチームは4バックを採用している。特にプレミアリーグのチームはマンチェスター・Uはじめほぼ全チームが4バックを採用している。また現レアル・マドリード監督のジョゼモウリーニョが3バックを採用することはない。現ロシア代表監督のファビオ・カペッロもローマ時代は3バックを採用していたが、現在は4-4-2をベースとしたシステムを採用している。4バックの場合はディフェンスラインの4人、中盤の4人で4-4の2ラインを作り、その間でボールを奪うことを目的としている。数年前はこのディフェンスシステムが一般的になったため、3バックを採用するチームは少なくなった。

では現在の3バックは以前と何が違うのだろうか。正直って私は現在の3バックも以前の3バックもほぼ変わらないと思っている。しかしひとつ違うのは守備の時に5バックになることを許容し始めているということだろう。

昨日の試合を見ていても、広島も柏も守備の時は5バックになっていた。というよりも、意識的に5バックにしていた。自陣ペナルティエリアの前に5人のディフェンスが並び、その前に4人の中盤が並ぶ。合計9人で2ラインを作り、ディフェンスをするのである。以前であれば5バックになることが悪いことだと考えられていたが、おそらく3バックを採用する監督は5バックになることを悪いことだと思っていない。むしろ守りを固める上では必要なことだと考えている。

というのも現代サッカーでは先制点というものがかなり大きな重要度を占めているからである。以前であれば先制点を取ったチームが2点目を取りに勢いをつけて攻めて来るということが多かった。しかし現代サッカーにおいては、先制点を取ったチームは自陣近くにリトリートして、まずは守備を固めることが多くなった。そして攻撃についてはあくまでもカウンターで2点目を取りに行き、あくまでも守備のバランスは崩さない。これはジョゼ・モウリーニョがCL決勝のバイエルン・ミュンヘンで採用した戦術であり、あまりにも上手くハマったため記憶に新しい人も多いだろう。

よって監督としては先制点を取られることを極端に嫌うことになる。先制点を取られると、リトリートした相手を崩すことが難しくなるからである。その結果が3バック気味の5バックである。守備の時にはまず5バックでも良いから点数を取られないことを最優先にする。相手が攻めてきたら、以前に比べて多少攻撃の人数が少なくなるがカウンターで点を取りに行く。逆にポゼッションに入った時には3バック気味にして攻撃に厚みを持たせる。浦和や広島などは攻撃時には4バックにシステムチェンジをして、ポゼッションを中心にして攻めているのでそのような工夫も出始めている。

昨日の試合を見ている限りではやはり広島の方が戦術的な理解度が高く、3バックのメリットが出ていた。逆に柏の方が以前は4-4の2ラインがうまくハマっていたため、それを捨てての3バックだったが、まだ理解度は高くない気がした。失点の部分においては5バック気味にして人数は揃っているにもかかわらずゴールを取られてしまったので、本当に5バックにすることが守備を固めることにつながるのかはしっかりと分析する必要があるだろう。

面白いのは時代が変化するにつれて新しい戦術が次々に生まれてくることである。そしてそれには必ず理由やロジックが存在する。その流れをしっかり把握することも、指導者には求められる部分だろう。

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テーマ : サッカー
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『サッカークリニック2013年3月号』-特集春に鍛える!


『サッカークリニック2013年3月号』を読んだ。今回のテーマは「特集春に鍛える!」である。内容としては春合宿に何をするのか、どんなことを意識してトレーニングを行うのかということである。なかなか小学生年代では春合宿を行うチームは多くないと思うが、4月からの新体制スタートに向けてどのような準備をするのかという点については参考になる。以下内容を引用する。

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・近年のスペインにおいては、戦術的ピリオダイゼーションの流行もあり、フィジカル・トレーニングを「ボールを使って行うべきかどうか?」という議論が続いています。

・最近はメンタルの弱い子供が多く、きついことを大人があえてやらせないとダメな部分があります。また、つらいことをやり遂げたときの達成感を味わってほしいとも思うのです。

・私は指導をする上で、「子供たちにサッカーを楽しんでもらいたい」ということを大切にしています。ただし「楽しむ」とは、気ままに自由にボールを追いかけるということではありません。規律をしっかり守るということなども含め、本気で取り組んで初めて実感できるのが「楽しさ」だと思うのです。

・昔のように基礎体力があれば体力強化も必要ないのですが、現状では放っておくこともできず、ある程度やらなければならない面があるのです。

・重要なのはたくさんの種類の練習メニューを抱えることではありません。一つひとつのメニューを深く理解し、そのオーガナイズ(練習構成)で目的や選手のレベルに応じて変化が出せることなのです。プレーのバリエーションとは、豊富な練習メニューの数を指すのではなく、1つのオーガナイズにおける理解と習得度の深さを表すと言えるでしょう。イメージとしては「広く浅く」ではなく、「狭く深く」に近いのですが、それがどのような効果をもたらすのでしょうか。

・私はこれまで、1シーズンを戦い抜くのに練習メニューの数が多すぎることも問題だと考えていました。練習メニューの数ではなく、重要なのはバリエーションの豊富さです。よって、4つから6つの練習オーガナイズを持ち、それぞれ豊富なバリエーションを持てるようにしていく能力が必要です。同じオーガナイズでも違うテーマ、異なる練習になるように仕向けて行くのです。

・同じ練習でも、何を言うかで別の練習になります。バルセロナやレアル・マドリードの練習を見て、それをまねして子供たちにそのまま伝えても何の意味もありません。練習メニュー自体の重要度はゼロとも言えます。大事なことは、何をやっているかではなく、そこで何を言っているか、何を伝えているかです。コーチが練習時にどんな声かけをしているのかを知らなければ、その練習の本質は分かりません。
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フィジカル・トレーニングについては国内外で認識の差があるように思える。日本においては、子供たちの基礎体力低下を嘆く指導者が多く、あえて小学生年代から走り込みなどのフィジカル・トレーニングを行うチームもある。また、それはメンタル強化の一環でもある。近年メンタルも弱くなったと言われている子供たちのメンタル強化のために、あえて限界まで追い込ませるために走り込みを行っているチームもある。

逆にヨーロッパなどではフィジカル・トレーニングをいかにボールを使って行うか、実践に近づけて行うかということに議論が集中している。ヨーロッパの子供たちの基礎体力が上がっているのか下がっているのか分からないが、パソコンやゲームなどが普及しているのは日本と同じだろう。その中でフィジカル強化のトレーニングメニューが全く日本とは異なるというのは注目すべき点かもしれない。

個人的には走り込みをする時間を取るよりも技術やテクニックを強化するほうが将来的に役に立つと思っている部分があるので、走り込みをあえてやらせることは少ない。あくまでも4対4などのスモールゲームの中で、いかにフィジカル的な要素を加えるかということに意識を向けている。最近意識しているのは、4対4のスモールゲームでキックインを廃止したことである。以前まではボールがラインを出た際には子供たちにキックインをさせていたが、それだとそのたびにゲームが中断することになる。そうではなく、現在はボールがラインを割った瞬間にコーチから新しいボールを入れて、ゲームをすばやく進行することにしている。そうすることで運動量の多いゲームを続けることができる。

ただし南米のコーチはフィジカル・トレーニングはボールトレーニングとわけて考えたほうが良いと言っているという記述が今回のサッカークリニックの中にもあるため、この議論はまだまだ続いていくだろう。

またもう1つ今回の内容で多かったのは、練習メニューの数についてである。練習メニューの数が多いことがどれだけ有効なのかについては以前「トレーニングメニューは豊富なほうが良いのか!? (04/22)」で書いたことがあるが、重要なのはトレーニングメニューの数ではなくバリエーションだというのが今回の内容である。

確かにトレーニングメニューが多いほうが子供たちは飽きずに練習に取り組んでくれるかもしれない。しかし毎回トレーニングメニューが変わって、そのたびに説明から入ると、それだけで時間がたってしまう。そうではなく、同じようなオーガナイズの中で、ルールや意識ポイントを変えることで、子供たちに異なるポイントの成長を促すことができる。言われてみればそうかもしれないと思う部分もあるが、同じオーガナイズで違うメニューを作るというのは結構難しいことである。指導者自身がしっかりと考え、そのトレーニングで何を伝えたいのかを明確にしておく必要があるだろう。

ただし私の場合はウォーミングアップや試合前の練習は全く同じにしている。イチローが毎回同じフォームでバッティングの準備に入るように、また羽生善治が対局前は毎回同じ道を取るように、同じメニューをやらせることで集中力を高めることが出来ると考えるからである。このあたりは指導者によって考え方が違うと思うので、是非いろいろな人と議論してみたいところである。

テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

言葉の暴力も体罰の一つである


ニュースで体罰問題が報じられてしばらくたつ。いろいろな立場から体罰についての意見が述べられており、最近ではサッカー日本代表監督ザッケローニもインタビューされていた。もちろん誰もが体罰は悪いものだとは思っているが、どこからが体罰なのかというのが人によって違うのだろう。その人によって体罰についての考え方が違う。

今回の問題はオリンピックで絶対に勝たなければならないというプレッシャーが背景にあったらしい。もちろん真偽はわからないが、そのプレッシャーから体罰に至るというのは分からなくもない。国内全体からの期待を受け、しかも結果を求められている監督が受けるプレッシャーは想像を超える。だからといって選手に手を挙げてよいというわけではないのだが。

私も一指導者としてこのような問題については真剣に考えなければならない。今回は柔道界で体罰問題が起こったが、サッカー界においてもこのような問題がないとも限らない。また、体罰にもいろいろあるだろう。実際に手を上げるのを体罰だと思う人もいれば、言葉の暴力を体罰だと思う人もいる。セクハラと同じように被害者が体罰だと思えばそれは体罰になるのである。

おそらく多くの指導者は「自分は体罰などしていない」というだろう。そしてそれは往々にして事実だと思う。私自身が小学生年代を教えているというのもあるかもしれないが、実際に体罰で手を上げる指導者は他チーム含めて見たことがない。

しかし私は手を上げることのみが体罰にあたるのではないと思っている。というのは、言葉の暴力というものも体罰にあたると考えるからである。正直言ってサッカー界にもまだこのような問題は残っている。子供たちに対して厳しい言葉を発する指導者はまだまだたくさんいる。もちろんそれが効果的な場合もあるし、教育的な面で必要な場合もある。しかしそれがエスカレーションしすぎるとそれは体罰にあたる。

小学生年代のサッカーとはいえ、指導者は結果を求められる部分もある。もちろんサッカーは勝敗を争うゲームなので、勝ちを目指すことは当たり前である。子供たちも勝ちたいと思っているし、指導者も勝ちたいと思っている。もっと言えば子供たちの親も勝ちたいと思っているのである。しかし勝ちを目指すがあまり、子供たちがサッカーをやる本来の目的を大人が忘れてしまう。

子供たちは楽しむためにサッカーをしたいと思っている。これは子供だけではないと思うが、楽しくないことをやるために時間を投資する意味は全くない。サッカーが楽しいからこそ練習をし、練習をするからこそサッカーがうまくなる。サッカーがうまくなるからますますサッカーが楽しくなる。子供たちはこのサイクルを求めているのである。しかし言葉の暴力はこのサイクルを簡単に破壊してしまう。

指導者が意識しなければならないのは、いくら結果を求められていようが、いくら自分にプレッシャーがかかっていようが、それを選手に向けてはいけないということである。全ての責任は指導者にあり、選手には責任はない。そのようなスタンスで指導を行わなければならない。いくら親からプレッシャーがかかっていようが、他のコーチから結果を求められていようが、それを自分の中で留めるのが指導者としての責任である。それを選手に向けてしまったのが今回の柔道の問題である。

今回の体罰問題は私含めていろいろな指導者に影響を与えただろう。やはり一番大事なのは子供たちが楽しくサッカーができる環境を指導者が用意すること、それだけは忘れてはならないのだと思う。

テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

Kengo Yoshida

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プロフィール

吉田憲吾

Author:吉田憲吾
2006年より坂本SCで小学生にサッカーを教えている。日本サッカー協会公認指導者ライセンスC級(サッカー、フットサル)取得。2010年より日本ヒューレット・パッカード(HP)株式会社でStorage Salesを担当。TOEIC850点。

主なブログ:
営業マンの、営業マンによる、営業マンのためのブログ
kengoyoshidaのバインダー
kengo yoshida - Japan | LinkedIn

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