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マルセロ・ビエルサのマンツーマン戦術と育成年代


アスレチック・ビルバオが快進撃を続けていることは、多くのサッカーファンが驚いているだろう。特にヨーロッパリーグでマンチェスターUを倒したと聞いた時には、耳を疑った人も多かったのではないだろうか。


アスレチック・ビルバオといえば、スペインリーグの中でも特殊なチームの一つであり、なんとバスク地方出身者しか採らないというルールを設けている。また、スペインリーグの中では珍しく、ロングボールと空中戦を多用する戦術をチームコンセプトとして掲げている。


しかし今シーズンから就任したマルセロ・ビエルサはビルバオの戦術をガラッと変えた。ビエルサといえば「変人」と呼ばれるほどのサッカーバカで、あのグアルディオラが世界最高と称している監督である。ビエルサは超攻撃的サッカーをベースとして、ショートパスとパス&ムーブを繰り返して攻撃をするスタイルを好んでいる。そして注目すべきは守備戦術である。守備は現代サッカーの流れに反して、オールマンマーク戦術をしいている。最終ラインの1人を残し、全てがマンマークなのである。


現代サッカーはゾーンディフェンスが主流である。ゾーンディフェンスにおいては自分の担当するゾーンに入ってきた選手をマークする。相手がポジションチェンジをしてきた時も、声を出してマークの受け渡しをし、相手選手にそのままついていくことはない。ディフェンスの原則も①ボール②味方の位置③相手の位置になる。


しかしマンマークディフェンスにおいては、原則自分が担当する相手にずっと付いていく。ポジションチェンジをしたとしても、マークの受け渡しないのである。相手のサイドバックがサイドハーフを追い越して上がってきたときにも、サイドバック担当の選手がそのままマークについていく。ディフェンスの原則は①ボール②相手の位置③味方の位置になる。


もちろんフィールド10人全てをマンマークすることはなく、最終ラインにリベロを1人残すことが多い。ビエルサのチームも相手が1トップや3トップのときには4バック、相手が2トップのときには3バックを敷く。そして1人がかわされたときに初めてマークの受け渡しをする。つまり余った選手にリベロがつくことでリスクヘッジをするのである。


ただしビエルサのチームにおいてはフォーメーションがあまり意味を持たない。なぜなら相手の動きによってフォーメーションが変化するからである。例えば相手のCBが前線まで上がってきたときには、FWがディフェンスラインまで戻る。そこでマークを受け渡すことはないからである。


もちろんこれにはリスクもある。例えば相手選手に常についていくということは、ディフェンスが苦手な選手がディフェンスラインに入り、オフェンスが苦手な選手が前線に残ることもあり得るからである(もちろんその時には空いても同様のシチュエーションになるが)。これは本当の意味での全員守備・全員攻撃である。ゾーンディフェンスではこのようなことは基本あり得ない。


私は実は小学生の公式戦で一度マンマーク戦術を試したことがある。相手はJ下部組織のU-12だったのだが普通にやっては絶対に勝てない相手である。そこで私がオールマンマーク戦術を用い、1人1人に責任を持たせる守備を課した。実際のところこれは勝ちを目指していたのではなく、J下部組織の相手に自分1人1人の力を試してみてほしいという意味だったのだが、実はこの戦術が見事にはまった。普段ゾーンディフェンスに慣れている相手は、マンマーク戦術にかなりてこずっていた。結果は1-3での敗戦だったが、普通の街クラブがJ下部組織相手にかなり良い試合をしたと思っている。


個人的にマンマーク戦術は特に育成年代に有効だと考えている。まずマンマークをするということは目の前の相手との個人勝負になる。誰かがサボって失点すればその選手の責任であることが明白になり、責任感が身につきやすい。また目の前の相手に負けたくないという気持ちもすごく出てくるだろう。ゾーンディフェンスになるとどうしても責任の所在が不明確になりやすいからである。


また上記のように相手にずっとついていくということは、自動的にいろいろなポジションをやることになる。相手が上がってくればディフェンスになり、下がっていけばオフェンスになる。育成年代においてはいろいろなポジションをやることが有効だといわれているので、マンマーク戦術はぴったりである。


ビエルサはもともと育成年代の監督経験もあるので、このあたりももしかしたら考えているのかもしれない。まだ元日本代表監督のオシム氏もマンツーマンディフェンスを好んでいたが、ジェフの選手がこれによって急激な成長を遂げたことも関係しているのかもしれない。


とはいえ、私も今まではゾーンディフェンスを基本とした戦術を子供たちに教えていた。マンマーク戦術をとったのはJ下部組織相手の試合のみである。これから少し試してみて効果のほどを観察してみたいと思う。
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テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

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いいたいことはわかるし、子供の成長にマンマークは大事となる!
しかし自分のマークじゃないからオッケイ、またカバーのポジションのとこなど指導者の質も問われる
Kengo Yoshida

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プロフィール

吉田憲吾

Author:吉田憲吾
2006年より坂本SCで小学生にサッカーを教えている。日本サッカー協会公認指導者ライセンスC級(サッカー、フットサル)取得。2010年より日本ヒューレット・パッカード(HP)株式会社でStorage Salesを担当。TOEIC850点。

主なブログ:
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